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陳情書

令和3年2月12日

兵庫県川西市火打2-16-23

一般財団法人 国際福祉人権研究財団

法務省 上川陽子法務大臣 様

内閣府 内閣総理大臣 菅 義偉 様

(離婚後の子の養育に関する問題解消について)

陳情の趣旨

 

  1. 第一義的観点を直接養育にすべき見直しを求める。

  2. 面会交流という名称を訪問交流にすべき見直しを求める。

陳情の理由

1、養育にかかる費用の負担については、両親に責任が生じるものであり、当然、親権を有するか、否かに差はない。つまり現在、離婚した場合において、親権を持たない親が養育費を支払う責任は生じるものである。したがいまして養育費の未払いにつき、解決すべき問題がある。

 

 ただ養育費の未払いは非常に重要な観点であるが一義的観点ではない。現在のシングルペアレントにおける貧困問題は、養育費を受け取っている家庭であっても、生活の困窮が避けられていないといったエビデンスが統計で明示されている地域もある。したがいまして行政や国が守るべき子の福祉においては、男女共同参画基本法や男女雇用機会均等法に基づき、就労と養育の両立を目指しながら、シングルペアレントとして生活していくにあたり補助金や給付金の拡張も検討していくべきである。

 

 ところで養育費の支払いとは間接養育である。直接養育ではないことを認識して頂きたい。養育費の未払いが問題となる点には、非親権者が、直接支払いをしてはいけないといった風潮があるが、本来、禁止されていない。そもそも間接養育とは、直接養育の教育や愛育に足りない部分を補填するものである。一般的に直接養育を面会交流として、直接交流と間接交流が一般認識として浸透しているものの、養育費が間接養育であるといった認識が薄い。当然、直接養育が子の健全な発達に必要であり、親権を持たない親は、子に直接養育すべきが第一義的であって、それが面会交流という名称が法に照らされているところである。

 

 本来、親権者を介して費用を負担することより、直接、親権者を介すことなく自由に学費など費用を負担することこそ直接養育であり、養育費を使い込む親のネグレクトも防ぐことが出来るというものである。それができない場合において、やむを得なく間接養育での補填を検討するものと考察することが自然である。

 つまり非親権者には直接養育させないといった風潮が、養育費を第一義的観点に置くものと思料される。それは子のとっては両親に対して平等に監護請求権を有するものであるから、明らかに両性の基本的平等に反する。したがいまして、非親権者が直接養育出来るよう法整備が必要であり、直接養育を第一義的観点に置くことによって共同親権が検討されるというものである。

2、日本ではその面会交流が子の福祉に必須であることが、ようやく子の利益に資するといった認識が一般的となってきている。ただ比較法として世界の法整備を照らせば、面会交流は、visitation訪問といった名称を引用している国も多く、日本では面接交渉の名残として「面会」という言葉が引用されていることが思料されているが、子や親が犯罪者のはずもなく、親が子と面会するといった内容となっていることは不適切である。したがいまして直接交流の名称を「面会」交流から、「訪問」交流に変更すべき理由があって、見直しを求める。

 

 総括

 父子優先や母子優先の原則といった差別的原則が残る日本の人権認識のなかで、子どもの権利優先の原則を第一義的にすべきであって、それは児童の権利条約第18条1項における父母が共同の責任を有するという原則に相当する。つまり日本国憲法24条2項における両性の本質的平等に立脚した解決策が必要となる。

 これらから子の福祉として養育費を支払うことと、養育の費用を非監護者が子どものために直接支払いができる直接養育の観点を第一義的観点として考察し制度の見直しを求める。

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