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公開質問状
平成25年10月18日付の事務連絡について、公開質問を行った。
事務連絡
平成25年10月18日
各都道府県住民基本台帳担当課 様
(市町村担当課扱い)
総務省自治行政局住民制度課
DV等被害者支援措置における「加害者」の考え方について
「住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付並びに戸籍の附票の写しの交付におけ
るドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる措置」(以下、「支
援措置」という。)については、住民基本台帳法をはじめ、関係省令及び通知等に基づき、各市区町村に
おいて対応いただいております。
具体的には、住民基本台帳事務処理要領(昭和 42 年自治振第 150 号等自治省行政局長等から各都道府
県知事あて通知。以下、「事務処理要領」という。)、住民基本台帳事務における支援措置申出書(平成 24
年 9 月 26 日総行住 89 号中別紙。以下、「申出書」という。)等により対応いただいておりますが、その
中に「加害者」という記述があります。
この場合、特に申出書の「加害者」欄は、申出者が記載することとしており、その記載に当たっては、
疎明資料等を求めることとしていません。したがって、保護命令決定を受けるなど、被害者と「加害者」
の立場が明確である場合もありますが、申出者と「加害者欄に記載された者」の間の訴訟が係争中であ
り確定していない事例なども含まれています。
これは、措置の必要性を判断するために事実関係の確定等を待つこととした場合、その間に申出者の
住所が探索されてしまう懸念もあることから、支援措置は、申出内容について、相談機関の意見なども
聞きながら、必要性を判断するスキームとしているものです。
一般的には、「他人に危害や損害を加える人」という意味で、「被害者」の対義語として「加害者」と
いう言葉が使われることがありますが、支援措置においては、上記のとおりこれと全て一致するもので
はありませんので、窓口における「加害者欄に記載された者」等へ対応する場合や事務処理要領第 6-10
-サに基づき、庁内で必要な情報共有等を行う場合などはご留意ください。
貴都道府県内の市区町村に対しても、この旨周知くださるようお願いいたします。
なお、この事務連絡は、あくまでも支援措置における「加害者」の考え方について周知するものであ
り、これまでの事務処理の手順、支援措置の必要性の判断を変更する旨の助言ではないことを念のため
申し添えます。
公開質問
令和2年8月11日
兵庫県川西市火打2-16-23
一般財団法人 国際福祉人権研究財団
総務省自治行政局住民制度課 御中
(平成25年10月18日付の事務連絡について)
質問の趣旨
「保護命令決定を受けるなど、被害者と「加害者」の立場が明確である」といった明示について質問する。
質問の事由
被害を思料するものが保護命令申立をして,加害を思料されうるものに対して保護命令の処分が通知される場合,加害の容疑が検証された結果,起訴猶予とならなかった際に,保護命令決定の処分を受ける加害を思料された相手方が,なぜ「加害者」の立場として明確となり,処分を受けていない申立人が「被害者」の立場として明確となるのか,その解釈について問うものである。
質問1、保護命令の処分決定を受けた加害を思料されうる相手方が,なぜ「加害者」の立場として明確となるのか。
質問2、「加害」を思料されうる立場と「加害者」の立場と区別すべきではないのか。
質問3、立場とは,どのような身分のうえでの立場として解釈しているか。
質問4、男女平等の観点や法的救済措置に基づく公平性が保たれておるのか。
質問5、保護命令決定の処分を受けるのは相手方であるが,申立人が相手方に同意なく子を連れて転居することを命令ずる決定として解釈しているのか。
質問6、支援措置は保護命令申立人の自力救済を認める制度であるか。
以上,6点の回答を求めたい。
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に基づく加害とは,第一条や第十条に明示された「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。
保護命令は一定期間、予期できない危険から申立人を保護するため,申立人に近づかないよう加害を思料された相手方に対して命令するものであり、処分の決定先は相手方である。
そこで保護命令を受けた相手方が「加害者」の立場として明確とするならば,虚偽申告による申立を防ぐ検証事実の評価制度を設けなければ明確とはいえない。保護命令とは、申告上の手続きであり,配偶者からの身体に対する暴力を受けたと申告した被害者とされるものが,配偶者からの更なる身体に対する暴力により,又は,配偶者からの生命等に対する脅迫を受けたと申告する被害者が,配偶者から受ける身体に対する暴力により,その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことを申告すれば,申し立てることができる。
つまり22日間の拘留が終わり加害の容疑につき検証結果が示される前に,相手方に対して処分が通知されるものである。虚偽申告については過料を申立人に求めることが出来るが,警察が関わって事件が発生すれば,後に加害が無いことが検証されても予期せぬ危険から回避させうる目的で制度を利用することに問題がなく,それが虚偽であっても警察が誤認逮捕を認めない限り,申立人に対する過料は認められない。
殊更,別居すべきとして命令は申立人に対して処分の決定がなされるものではない。ましてや相手方の同意なく子を連れて別居するよう命令として処分の決定がなされるものではない。
EU連合議会が日本に対して声明文を提出したが,ハーグ条約は,それぞれの国で自力救済を禁止し,その国内において監護権(親権)侵害を防ぐ(アウトゴーイング事案では日本の国内法上)といった立法意義(趣旨)である。しかし支援措置とは処分を受けていない申立人の自力救済を認めるものである。
本来,家庭裁判所は子の連れ去り・留置があったとの通知を受けると、返還手続についての決定があるまで、または相当の期間が経過するまでの間、子の監護についての本案に関する裁判をすることができないものとされている(ハーグ実施152)。
つまり子の居所を相手方に同意なく変更した申立人が支援措置を目的外に利用して子の連れ戻しを妨げ,監護者指定の申立てなど調停を申し立てることが少なくない。しかし,これはクリーンハンズの原則に反するものである。そもそも監護権侵害したものが監護者の指定を求めることは出来ない。この支援措置の制度が,子が両親から平等に愛育,成育などの受ける権利を不当に制限し,拘束する被害を申告する親の不法行為を助長する動機付けの制度となっていることは明白である。
以上から考察し理解を求めた上で,総務省としての回答して頂きたく存じます。宜しくお願いします。
回答はこちらから
https://note.com/welwel_project/n/n6eb8f8855da0